Apr
7
《グラスを傾けて、ひばりさんが言いました。
「歌ってあげる」
「いや、結構ですよ。第一、バンドがいないじゃないですか」
「大丈夫。何がいい?」
「じゃあ、ぼく、『悲しい酒』が好きなんですけど」
座ったまま、アカペラで、ひばりさんは歌いました。いやあ驚きました。
ひばりさんは本気なのです。さっきまでふつうの会話をしていたのに、一瞬で歌の世界に入っていました。伴奏がなくても間を感じさせない。声だけでしっかり聴かせる。絶対音感というものがあるのでしょう。ほかの歌手とは次元が違う。歌の合間のセリフでは、ステージと同じように本当に涙まで流して見せるのです。まさに歌を歌うために生まれてきたような人だと思いました。
聴き終わったとき、ぼくは我を忘れて拍手をしていました。
「ひばりさん、いつもそんなふうに歌が歌えるんですか」
にっこり笑って、ひばりさんは言いました。
「ほら、わたし、歌手だから」》 萩原健一氏の著作より。 (via orehmi) (via suwaowalog) (via jinon) (via ninjatottori)
「歌ってあげる」
「いや、結構ですよ。第一、バンドがいないじゃないですか」
「大丈夫。何がいい?」
「じゃあ、ぼく、『悲しい酒』が好きなんですけど」
座ったまま、アカペラで、ひばりさんは歌いました。いやあ驚きました。
ひばりさんは本気なのです。さっきまでふつうの会話をしていたのに、一瞬で歌の世界に入っていました。伴奏がなくても間を感じさせない。声だけでしっかり聴かせる。絶対音感というものがあるのでしょう。ほかの歌手とは次元が違う。歌の合間のセリフでは、ステージと同じように本当に涙まで流して見せるのです。まさに歌を歌うために生まれてきたような人だと思いました。
聴き終わったとき、ぼくは我を忘れて拍手をしていました。
「ひばりさん、いつもそんなふうに歌が歌えるんですか」
にっこり笑って、ひばりさんは言いました。
「ほら、わたし、歌手だから」》 萩原健一氏の著作より。 (via orehmi) (via suwaowalog) (via jinon) (via ninjatottori)